Print-friendly Version
Solaris Service Management Facility - クイックスタートガイド
はじめに
UNIX オペレーティングシステムには、電子メール配信、ftp 要求への応答、リモートコマンド実行の許可など、特定タスクの実行要求を待機して応答する、対話型ユーザーログインと関連付けられないソフトウェアプログラムとして、一連のサービス が当初より含まれてきました。 従来からのこれらのサービスは、通常、ブート時から起動されて、システムの稼働中に受信された要求を処理する、継続的に単一プロセスとして実行される個別のアプリケーションです。
管理者は現在、このオリジナルモデルの守備範囲を超えるようになったサービスのコレクションと格闘しています。 Sun では、これらのシステムサービスを簡単に管理できるように、Service Management Facility (SMF ) を開発しました。 SMF は、Solaris Operating System の新機能で、各 Solaris システムのサービスおよびサービス管理のための基盤となる、統一されたモデルを作成します。 SMF は、Solaris 10 で利用できる予測的自己修復技術の中核部分であり、ソフトウェアとハードウェアの障害、および管理エラーからの自動回復を可能にします。
このガイドでは、SMF の機能および利点について説明し、Solaris で大幅に変更された点を指摘して、SMF による代表的な管理作業の実行方法を示します。 SMF および予測的自己修復の包括的ガイドは、Sun BigAdmin の Web サイト から入手できます。
機能
Service Management Facility によって、Solaris 管理モデルのさまざまな面が改善されました。 もっとも注目すべき更新内容は、次のとおりです。
サービスは、新しい svcs(1) コマンドを使用して表示でき、svcadm(1M) および svccfg(1M) を使用して管理できる、ファーストクラスオブジェクトとして表現されます。
失敗したサービスは、その失敗原因が管理エラー、ソフトウェアバグ、または修正不能なハードウェアエラーによる影響のいずれであっても、自動的に依存関係の順に再起動されます。
サービスの設定エラーおよび誤動作については、ほかにも使用可能な情報があります。たとえば、svcs -x" を使用してもサービスが実行されない理由の説明や、サービスごとの持続ログファイルなどがあります。
ブートプロセス時の問題が、従来より簡単にデバッグできるようになりました。これは、ブートの冗長性が制御できること、サービス起動メッセージが記録されていること、および起動の失敗時にはその他の問題の場合より信頼性の高い方法でコンソールへのアクセスが提供されることによるものです。
サービス設定のスナップショットが自動的に取られるので、サービスの変更をバックアップ、復元、および取り消すのがより簡単になりました。
サポートされているツール、svcadm(1M) を使用すると、サービスを有効化および無効化でき、アップグレードやパッチを適用したあとも変更を持続できます。
smf_security(5) のマニュアルページに説明されているように、管理者は、サービスを設定、起動、停止、または再起動する権限などの作業を、非ルートユーザーに安全に、しかも、より簡単に委譲できます。
サービスをその依存関係に基づいて並列に起動して、大規模システムをより高速にブートできます。
このような変更にもかかわらず、既存の管理慣行との融和性はできるだけ保持されています。 たとえば、サイトのローカルな rc スクリプトや ISV 提供の rc スクリプトの大部分は、通常どおりに動作します。
注目すべき変更
SMF によって提供される新機能の大半は、「背後」で実行されるか、または新しいコマンドによってアクセスされます。しかし、すぐに気づく変更もあります。 ここでは、そのような変更がどのようなものかを説明します。
Solaris の旧バージョンでは、ブート時にかなりの量の出力がシステムコンソールに出力されていました。 メッセージは起きている事象に対する洞察を与えてくれる場合もありましたが、あまり役に立たない場合もありました。 オンラインになったことを示すメッセージを出力するのは一握りのサービスだけで、その他の多くのサービスはそのようなメッセージを出力しませんでした。障害モードによっては、背後の問題を診断するのに役に立たないメッセージを出力していました。たとえば、"WARNING: Timed out waiting for NIS to come up" などのメッセージです。 エラーメッセージは直接コンソールに出力されることもありましたが、ログには記録されませんでした。
SMF により、ブートプロセスが出力するメッセージが、はるかに少なくなりました。 次に、SMF を使用したブート時にマシンに表示されるメッセージの例を示します。
SunOS Release 5.10 Version Generic 64-bit
Copyright 1983-2004 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved.
Use is subject to license terms.
Hostname: demobox
NIS domain name is testlab.example.com
checking ufs filesystems
demobox console login:
出力されるメッセージは少なくなりましたが、SMF によってブートプロセスが監視しやすくなりました。 各サービスには、ログファイルが /var/svc/log ディレクトリか、または単一ユーザーのマイルストーンの前に起動されたサービスの場合は /etc/svc/volatile ディレクトリにあります。ログファイルには、サービスを起動した時刻と方法、起動の成否、および初期化時に出力したメッセージが示されています。 ブート時に問題が発生すると、保守モードでコンソールにログインでき、svcs(1) コマンドを問題の診断に使用できます。 これは、前述の NIS 障害など、ブート時にハングアップを引き起こす問題の場合でも可能です。 最後に、新しい "-m" ブートオプション (kernel(1M) を参照) を使用すると、ブートプロセスをより冗長に、つまり、各サービスの起動時にシンプルなメッセージを出力するように設定できます。
また、終了したあとも、終了を拒否するプロセスに気付くことがあるかもしれません。 次に例を示します。
# ps -fp `pgrep -d, sendmail`
UID PID PPID C STIME TTY TIME CMD
root 330 1 0 14:21:05 ? 0:00 /usr/lib/sendmail -bd -q15m
smmsp 331 1 0 14:21:05 ? 0:00 /usr/lib/sendmail -Ac -q15m
# pkill -9 sendmail
# ps -fp `pgrep -d, sendmail`
UID PID PPID C STIME TTY TIME CMD
root 530 1 0 14:51:02 ? 0:00 /usr/lib/sendmail -bd -q15m
smmsp 531 1 0 14:51:02 ? 0:00 /usr/lib/sendmail -Ac -q15m
kill -9 を使用したにもかかわらず、一見何も起こっていないように見えるかもしれません。 しかし、PID およびプロセス起動時刻が変更されたことに注目してください。古い sendmail プロセスは実際に終了しています。
SMF では、サービス、サービスのプロセス、およびそのサービスの再起動を担当する別のサービスの間の関係という概念を、Solaris カーネルに導入しました。 この再起動サービスとの関係は、Solaris 障害管理用の Sun の新しいテクノロジと緊密に統合されているので、SMF 再起動サービスは、サービスプロセスの失敗原因が管理者エラー、依存サービスのエラー、ソフトウェアバグ、または基盤ハードウェアの障害のいずれであるかを認識できます。 サービス障害に続いてこの情報が捕捉されると、SMF は、適切な再起動サービスに通知します。再起動サービスは、サービスが失敗したように見えるためサービスを保守モード にして無効にするか、またはサービスを自動的に 再起動するかを決定します。 デフォルトの SMF 再起動サービス、svc.startd は、Solaris システム上のほとんどのサービスを起動および再起動する役割があります。 前述の例では、svc.startd は、sendmail が終了されたことに気付いて、その趣旨のメッセージを記録し、sendmail を自動的に再起動しています。
サービスを停止してそのサービスのプロセスを再起動したくない場合は、svcadm(1M) コマンドを使用します (後述の「代表的な作業 」セクションを参照してください)。 また、すべてのシステムサービスが、SMF を使用するように変換されているわけではまだないことに注意してください。そのような旧来のサービスは、終了しても再起動されません。
最後に、/etc/init.d ディレクトリ、/etc/rc*.d ディレクトリ、および /etc/inittab ファイルで、内容が旧リリースの Solaris に比べてかなり減ったことに気付かれるかもしれません。 SMF によって管理されるサービスは、rc スクリプトや inittab エントリを起動および停止には使用しなくなったので、それらのサービスに対応するスクリプトが削除されたのです。 Solaris の今後のリリースでは、SMF によって管理されるサービスが増えるので、それらのディレクトリは内容がますます少なくなります。ただし、ISV 提供のサービスやローカルで開発されたサービスを管理する rc スクリプトや inittab エントリは、今後もブート時に実行されます。 これらのサービスが実行されるブート中のタイミングは、SMF 以前とまったく同じというわけではなくなり、以前より早く実行されないことが保証されています。したがって、これらのサービスが暗黙的に依存していたサービスは、引き続き利用可能です。
サービス名
Solaris は、FMRI (Fault Managed Resource Identifier ) という URI 文字列を使用して、高度な障害管理機能およびリソース管理機能が提供されるシステムオブジェクトを識別します。 SMF によって管理されるサービスには、"svc" という系統名を接頭辞とした FMRI 文字列が割り当てられます。これは、Solaris サービス、syslogd(1M) に関する次の例に示しているとおりです。
svc://localhost/system/system-log:default
svc:/system/system-log:default
system/system-log:default
SMF によって使用されるこれらのサービス FMRI は、次の 3 つの方法で表現できます。 第一に、"localhost" などの場所のパスを含む絶対パスとして、第二に、ローカルマシンからの相対パスとして、そして第三に、文字列接頭辞が暗黙的に定義される単純なサービス識別子として表現できます。 このドキュメントの残りで説明されている SMF 管理者ツールは、ローカルサービスに作用すると仮定されているので、第三の表現形式を使用してサービスを記述しています。 複数の種類のリソースに作用したりマシン境界をまたいで動作したりするその他の管理ツールでは、サービスを記述するためにそれ以外のいずれかの形式を使用する場合もあります。 Solaris の現在のリリースの SMF ツールは、ローカルホストのサービスのみ管理できます。
FMRI 文字列はかなり長いので、SMF ツールでは短縮形式の FMRI の使用を許可しています。 短縮は一意で、サービス名の末尾の部分に一致し (ただし、":default" は省略可能)、"/" から始まる必要があります。 そこで、前述の FMRI に対して使用可能な短縮は、次のようになります。
system-log:default
system-log
これらの短縮は慎重に使用するようにしてください。同じ部分文字列 (例、"svc:/mysite/system-log:default") を含む新しいサービスが、ある時点で追加される場合もあるからです。 一意でない短縮が使用されると、SMF ツールは警告を出力します。
Solaris システムサービスの FMRI は、"application"、"milestone"、"network"、"platform"、および "system" など一般的な機能カテゴリと、サービスのデーモンや古い rc スクリプトの名前のような、内容を表す名前から構成されます。 svcs(1) コマンドは、マシンに存在するアクティブなサービスをすべてリストします。
% svcs
STATE STIME FMRI
...
online 11:19:35 svc:/network/nfs/status:default
offline 18:20:30 svc:/application/print/rfc1179:default
maintenance 18:20:26 svc:/network/ntp:default
SMF では、サービスがファーストクラスオブジェクトになったため、svcs(1) コマンドの "-a" オプションを使用して、有効になっていないサービスについての情報も提供できます。
代表的な作業
SMF は、管理モデルに影響を与えるので、Solaris の特に注目すべき変更です。 そのため、SMF の機能についてさらに多くの資料を読むことをお勧めしますが (後述の「詳細情報 」セクションを参照)、まずは一般的なシステム管理作業の方法を学習するのがよいでしょう。
サービスの有効化と無効化
Solaris 10 より以前には、Solaris でサービスを永続的に無効にするよい方法はありませんでした。 よく使用された方法は、該当する rc スクリプトを実行されない名前に変更することですが、この変更は、次回システムをアップグレードする際に見過ごされます。 また、inetd ベースのサービスの有効化および無効化は、設定ファイルの編集というまったく異なる方法で行われます。 SMF のもとでは、これらのサービスは、両種類ともに svcadm(1M) コマンドを使用して設定でき、マシンがアップグレードされた場合でも変更が持続します。 次に、サービスを有効化および無効化する方法を比較します。
mv /etc/rc2.d/S75cron /etc/rc2.d/x.S75cron
svcadm disable system/cron:default
/etc/inet/inetd.conf を編集し、finger 行のコメントを解除します
svcadm enable network/finger:default
これらの例での svcadm の最後の引数は、サービスの FMRI です。
svcadm は SMF サービス専用です。rc スクリプトによって制御される従来のサービスは、旧リリースと同様の方法で動作します。
サービスの停止、起動、および再起動
従来、ブート時に rc スクリプトによって起動されていたサービスは、引数 start を使用して実行されます。 一部の rc スクリプトは stop オプションを備え、また、ごく一部の rc スクリプトでは restart が使用可能でした。 SMF では、これらのタスクは、すべて svcadm(1M) コマンドで実行されます。
/etc/init.d/sshd stop
svcadm disable -t network/ssh:default
/etc/init.d/sshd start
svcadm enable -t network/ssh:default
/etc/init.d/sshd stop; /etc/init.d/sshd start
svcadm restart network/ssh:default
kill -HUP `cat /var/run/sshd.pid`
svcadm refresh network/ssh:default
svcadm enable および svcadm disable の "-t" オプションは、要求するアクションが一時的 (t emporary) であることを指定します。つまり、次回のシステムブート時に、サービスが起動するかどうかに影響を与えないことを指定します。 これは、前述の「サービスの有効化と無効化 」の例とは対照的です。
サービスを有効化および無効化する場合と同様に、rc スクリプトによって制御されるサービスには svcadm を使用しないでください。それらのサービスは、今後も旧リリースと同じ方法で動作するからです。
ブートプロセスの監視
「注目すべき変更 」セクションで既述のように、ブートプロセスはデフォルトで Solaris の旧リリースよりはるかに出力メッセージが少なくなりました。 このようになったのは、ブート時に発生し得る真の問題を見えにくくする可能性のある、情報価値のないメッセージの量を減らすためです。
ブート時の冗長性を制御するために、新しいブートオプションがいくつか追加されました。 特に便利なのは、"-m verbose" です。これは、各サービスが起動する際に 1 行の情報を出力するものです。 このオプションは、その他の UNIX ベースまたは UNIX ライクなオペレーティングシステムのデフォルトブートモードと似ています。 冗長 (verbose) ブートは、次のようになります。
{1} ok boot -m verbose
Rebooting with command: boot -m verbose
Boot device: /pci@1c,600000/scsi@2/disk@0,0:a File and args: -m verbose
SunOS Release 5.10 Version Generic 64-bit
Copyright 1983-2004 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved.
Use is subject to license terms.
[ network/pfil:default starting (pfil) ]
[ network/loopback:default starting (Loopback network interface) ]
[ system/filesystem/root:default starting (Root filesystem mount) ]
Oct 18 13:53:02/13: system start time was Mon Oct 18 13:52:57 2004
[ network/physical:default starting (Physical network interfaces) ]
[ system/filesystem/usr:default starting (/usr and / mounted read/write) ]
( more service messages elided )
[ system/filesystem/local:default starting (Local filesystem mounts) ]
[ network/ntp:default starting (network time protocol (NTP)) ]
[ system/utmp:default starting (utmpx monitoring) ]
[ system/filesystem/local:default starting (Local filesystem mounts) ]
[ system/console-login:default starting (Console login) ]
demobox console login: checking ufs filesystems
/dev/rdsk/c0t0d0s7: is logging.
Oct 18 13:53:14/50: system/system-log:default starting
Oct 18 13:53:14/51: network/inetd:default starting
Oct 18 13:53:14/52: system/cron:default starting
( more service messages elided )
サービス起動メッセージ間の順序は、ブートするたびに変わる場合があります。これは、SMF がサービスを、その依存関係に基づいて並列に起動するからです。
サービスが正常な起動に失敗すると、起動メッセージのあとで警告メッセージが出力されます。 NTP サービスが起動に失敗した例を次に示します。
[ system/filesystem/local:default starting (Local filesystem mounts) ]
[ network/ntp:default starting (network time protocol (NTP)) ]
Oct 25 13:58:42/49 ERROR: svc:/network/ntp:default:
Method "/lib/svc/method/xntp" failed with exit status 96.
Oct 25 13:58:42 svc.startd[4]: svc:/network/ntp:default:
Method "/lib/svc/method/xntp" failed with exit status 96.
[ network/ntp:default misconfigured (see 'svcs -x' for details) ]
[ system/utmp:default starting (utmpx monitoring) ]
( more service messages elided )
最初の 2 つのエラーメッセージは、通常ブート時にも冗長ブート時にも表示されます。最後のエラーメッセージ "network/ntp:default misconfigured ..." は、冗長ブート時にのみ表示されます。
問題の検出
Solaris にはこれまで、システムサービスの問題を検出するための包括的な場所がありませんでした。 たしかに、この問題を捕捉して診断するのに役に立つソリューションは、coreadm(1M) によるロギングから、サイト固有の監視スクリプト、および Sun Cluster などの包括的製品に至るまで、いくつか存在しています。 新しい svcs(1) コマンドの "explain" オプション ("svcs -x") は、実行されていないサービスについての詳細な解決指向のメッセージを出力します。svcs -x は、サービスが失敗したタイミングおよび理由を示し、問題の詳細の参照先を提供して、この問題によって影響された他のサービスをリストします。
起動に失敗した NTP サービスの例に戻ります。
# svcs -x
svc:/network/ntp:default (Network Time Protocol (NTP).)
State: maintenance since Mon Oct 18 13:58:42 2004
Reason: Start method exited with $SMF_EXIT_ERR_CONFIG.
See: http://sun.com/msg/SMF-8000-KS
See: ntpq(1M)
See: ntpdate(1M)
See: xntpd(1M)
Impact: 0 services are not running.
NTP サービスは保守モードになっています。これは、起動スクリプトによって、サービスの設定に問題があることが示されたからです。 サービスの失敗についての詳細情報は、/var/svc/log ディレクトリまたは /etc/svc/volatile ディレクトリにあるサービスログファイルを参照してください。 ログファイル名は、FMRI の短縮形式で "/" を "-" に置換したものになります。したがって、svc:/network/ntp:default サービスのログファイルは、/var/svc/log/network-ntp:default.log になります。 このログファイルを参照すると、NTP デーモンの設定ファイル、/etc/inet/ntp.conf が削除されたことがすぐにわかります。
依存関係を追跡し、無効にされたサービスに関連する問題を検出する SMF の機能を、次の例で示します。 この例では、"-v" オプションを使用して、影響を受けたサービスのリストを表示しています。
# svcs -x -v
svc:/application/print/server:default (LP Print Service)
State: disabled since Mon Oct 18 16:17:27 2004
Reason: Disabled by an administrator.
See: http://sun.com/msg/SMF-8000-05
See: man -M /usr/share/man -s 1M lpsched
Impact: 1 service is not running:
svc:/application/print/rfc1179:default
ここで、application/print/server:default サービスは明示的に無効化されていますが、このサービスに依存するもう 1 つのサービス、application/print/rfc1179:default が無効化されていません。 つまり、1 番目のサービスを無効化したために、2 番目のサービスが実行されたままになっているのです。
サービスの監視
Solaris の旧リリースでは、有効なサービスを表示する唯一の方法は、ps(1) コマンドを使用して、システム上のアクティブなプロセスをすべてリストし、サービスアプリケーション名に一致するプロセス名を見つけ出すことでした。 しかし、ほとんどのシステムには数多くのプロセスがあり、Solaris のバージョンが新しくなるたびに新しいサービスが導入されるので、その他のソフトウェアパッケージが追加された場合には、この方法でサービスを追跡することは非常に困難です。 この状況をさらに複雑にしているのは、最新のサービスの多くが単一プロセスとして実装されなくなったことです。 つまり、プロセスのコレクションまたはマルチスレッドプロセス、あるいはその両方として同時に実装されているのです。
新しい svcs(1) コマンドを使用すると、システムサービスのステータスを旧リリースよりもはるかに容易に監視できます。 "-p" オプションを使用すると、サービスに関連するすべてのプロセスが表示されます。
% svcs -p network/smtp:sendmail
STATE STIME FMRI
online 18:20:30 svc:/network/smtp:sendmail
18:20:30 655 sendmail
18:20:30 657 sendmail
% ps -fp 655 ,657
UID PID PPID C STIME TTY TIME CMD
root 655 1 0 18:20:30 ? 0:01 /usr/lib/sendmail -bd -q15m
smmsp 657 1 0 18:20:30 ? 0:00 /usr/lib/sendmail -Ac -q15m
"-d" オプションは、このサービスが依存する他のサービスを表示し、"-D" オプションは、このサービスに依存する他のサービスを表示します。
% svcs -d network/smtp:sendmail
STATE STIME FMRI
online 18:20:14 svc:/system/identity:domain
online 18:20:26 svc:/network/service:default
online 18:20:27 svc:/system/filesystem/local:default
online 18:20:27 svc:/milestone/name-services:default
online 18:20:27 svc:/system/system-log:default
online 18:20:30 svc:/system/filesystem/autofs:default
% svcs -D network/smtp:sendmail
STATE STIME FMRI
online 18:20:32 svc:/milestone/multi-user:default
これによってわかるのは、sendmail を実行するには、ネットワーク接続、ローカルファイルシステム、ネームサービス、syslog デーモン、および自動マウントデーモンが稼働している必要があり、sendmail 自体を稼働しておいてはじめてマルチユーザーマイルストーンを実行できるということです。 STIME 列のサービス起動時刻は、これら依存側のサービスがあとから起動されたことを示しています。
実行レベルの変更
SMF とともに、マイルストーン の概念が導入されました。これは、従来の実行レベルの概念に取って代わるものです。 実行レベルは、マシンで実行されるサービスセットの基本的な機能説明です。通常、単一ユーザーがマシンコンソールにログインするために必要なサービスとしてグループ化されるサービスセットは実行レベル S、マルチユーザーがマシンにログインするために必要なサービスとしてグループ化されるサービスセットは実行レベル 2 および 3 です。 実行レベルは、SMF ではマイルストーンとして表されるシステム状態です。マイルストーンは、その他のサービスをグループ化した、安定したサービスセットです。 マイルストーンに到達するには、"svcs -d" を使用して、稼働する必要のあるサービスを確認します。
システムのデフォルトの実行レベルをセットする方法としては、svcadm(1M) が推奨される方法になりました。 このコマンドは、milestone サブコマンドと有効なマイルストーンの FMRI を使用して実行されます。
/etc/inittab を編集します。
svcadm milestone -d milestone/single-user:default
"-d" オプションは、デフォルト (d efault) のマイルストーンを指定の FMRI に設定することを指示します。 "-d" を指定しないで "svcadm milestone" だけを実行すると、システムが、指定されたマイルストーンに直接移行されます。
ブートプロセスは、マイルストーンを認識するように更新されました。 シングルユーザーモードでブートするための従来の "boot -s" に加えて、指定のマイルストーンになるようにブートするための "boot -m milestone=<milestone> " が用意されました。 <milestone> には、"single-user"、"multi-user"、または "multi-user-server" に加えて、特別なマイルストーン "all" (オンラインで有効なすべてのサービス) および "none" (サービスなし) を指定できます。 "none" マイルストーンは、ブートプロセスの初期に障害が発生するシステムを修復するために、非常に役に立つ場合があります。
"-m milestone=single-user" を使用してシングルユーザーマイルストーンになるようにブートする動作は、古い "boot -s" とは若干異なっています。 システムがマイルストーンになるように明示的にブートされる場合、コンソール管理シェルを終了しても、"boot -s" とは異なり、システムはマルチユーザーモードには移行しません。 "boot -m milestone=single-user" の実行後にマルチユーザーモードに移行するには、コマンド "svcadm milestone milestone/multi-user-server:default" を使用してください。
旧バージョンのサービスの有効化、無効化、および監視
従来の rc スクリプトによって起動されるサービス (旧バージョンのサービス と呼ぶ) は、今後もこれまでと同じ方法で動作します。 これらのサービスは、svcs(1) の出力に、rc スクリプトのパス名に基づいた FMRI を使用して表示されますが、svcadm(1M) によって制御することはできません。 停止および起動するには、直接 rc スクリプトを実行する必要があります。
「注目すべき変更 」セクションで既述のように、rc スクリプトが実行されるブート中のタイミングは、Solaris の旧バージョンとまったく同じではなくなっています。 特に、Solaris 付属の特定 rc スクリプトの前に実行する必要があるスクリプトでは、問題が発生する可能性があります。 しかし、大半のスクリプトは、今後も問題なく動作するはずです。
inetd.conf への新しいサービスの追加
インターネットサービスデーモン、inetd(1M) が、SMF の構成要素として書き換えられました。 設定データを /etc/inet/inetd.conf でなく SMF データベースに格納することで、SMF ツールが inetd ベースのサービスを制御および監視できるようになりました。 Solaris に同梱されている inetd ベースのサービスの大半が、inetd.conf にエントリを持たなくなります。 SMF 用に変換されていないサービスを引き続き使用できるようにするため、inetd.conf には、引き続き従来と同じ構文を使用してエントリを追加できます。また、新規のサービスを SMF サービスに変換するには、新しい inetconv(1M) コマンドを使用できます。inetconv を実行するには、その前に必ず /etc/inet/inetd.conf を編集します。inetconv は引数なしで実行できます。
詳細情報
SMF の詳細については、次のドキュメントを参照してください。
『SMF System Administration Guide 』
Solaris 10 をインストールされた任意のマシンで使用可能なマニュアルページ:
inetadm(1M)
inetconv(1M)
inetd(1M)
kernel(1M)
smf(5)
smf_bootstrap(5)
smf_method(5)
svc.startd(1M)
svcadm(1M)
svccfg(1M)
svcprop(1)
svcs(1)
BigAdmin の「予測的自己修復 」のサイト