Sun Desktop Virtualization のアセットを示すデモには、数多くの複雑なレイヤーを持つソフトウェアが関与するので、設定に時間がかかります。このガイドは、必要なコンポーネント、それらのインストール方法、および構成方法に関する概要を明確に示しているので、このトピックに馴染みのない方には役に立つでしょう。ただし、この記事では、1 つの設定例のみを示します。この例以外にもさまざまな方法がありますが、この記事の目的は概要を示すことだからです。
この記事の目的は、VDA Kit のアーキテクチャーや設計について説明することではありません。アーキテクチャーおよび設計については、Sun BluePrints の記事「Sun Virtual Desktop Access Kit for VMware」を参照してください。Sun BluePrints の記事には、デモのアーキテクチャーおよびインストールプロセスが概説されています。また、記事の末尾では、デモの設定を、お客様の機能検証 (proof of concept、POC) 用の設定に転送する方法に関するヒントが、いくつか記載されています。
概要
この記事では、インストールに必要なハードウェアは最少限になるようにしています。デモをインストールするコアサーバーは、Sun Fire X4100、X4200、または X4600 サーバーなどの Galaxy サーバーです。2 つの CPU、4G バイトの RAM、および 2 台のハードディスクを搭載した Sun Fire X4100 サーバーがあればインストール可能です。このようなサーバーに、VMware ESX 3.01 またはそれ以降をインストールする必要があります。Virtual Center、Sun Ray サーバー、または Sun Secure Desktop サーバーなど、すべての必要なサービスは、ESX 内に Virtual Machine (VM) としてインストールされます。もちろん、管理対象の仮想デスクトップも同様に、ESX 内に VM としてインストールされます。図 1 にここで行う設定の概要を示します。
図 1: 例で使用する設定の概要 (クリックすると拡大されます)
ESX サーバーはすべてのソフトウェアサービスを処理します。ESX サーバーには 2 つの仮想ネットワークが含まれます。1 つの仮想ネットワークは、物理ネットワークと接続され、表示クライアント (Sun Ray クライアントおよびノート PC) の間で共用されます。この仮想ネットワークは、物理スイッチにより簡単に設定できます。構成要素の接続には、物理スイッチの代わりに共用ネットワークを使用できます。Sun Ray Server Software/Sun Secure Global Desktop サーバー、および Virtual Center サーバーは、仮想スイッチを介して物理ネットワークと接続されます。この接続そのものは図 1 には示されていません。物理ネットワークは、デバイスとデスクトップアクセスレイヤーの間の通信を処理します。また、物理ネットワークは Virtual Infrastructure の管理にも使用できます。
2 つ目の仮想ネットワークは、ESX サーバーのプライベートネットワークで、物理ネットワークとは接続されていません。この仮想ネットワークは、Sun Ray Server Software/Sun Secure Global Desktop、および Virtual Center を、すべての仮想デスクトップと接続します。Sun Ray サーバーは、このネットワークの動的ホスト構成プロトコル (Dynamic Host Configuration Protocol、DHCP) のサーバーとして構成されます。このプライベートネットワークは VDA の通信を処理します。VDA クライアントからの要求は、このネットワークを経由して VDA サービスに配信されます。また、プライベートネットワーク内では、Remote Desktop Protocol (RDP) 通信も行われます。
インストール
ここまでの説明で、今回のデモ設定の概略をご紹介しました。このあとすぐにインストール手順を開始できます。インストールを共用ネットワークから行う場合は、ESX サーバー、Integrated Lights Out Manager (ILOM)、Sun Ray Server Software/Sun Secure Global Desktop、および Virtual Center のために、4 つ以上の静的 IP アドレスを取得する必要があります。また、Virtual Center 専用のライセンスがあることも確認してください。
VMware ESX の設定
ESX のインストール
ESX サーバーのインストールは単純です。このインストールの呼び出しは非常に簡単で、Sun Fire x4100 サーバーなど Galaxy サーバーの ILOM から行えます。必ずバージョン 3.0.1 以降を使用してください。ESX は Linux ベースのアプライアンスです。インストール時には、ほとんどの場合推奨されるデフォルト設定どおりの操作を行なってください。インストール直後に行う必要があるのは、端末を使用して ssh を開き、あとでマシンにアクセスできるようにしておくことだけです。
Virtual Infrastructure Client のインストール
システムの設定後、VI クライアントをインストールする必要があります。これは Microsoft Windows アプリケーションです。VI クライアントでは、システムを構成するためのオプションがはるかに多く提供されます。コマンド行ツールのすべてを学びたくない場合は、本当に VI クライアントを使用することをお勧めします。どのみち、VI クライアントは、あとで Virtual Center で必要になります。VI クライアントをダウンロードするには、Web アクセスインタフェースを使用します。Web アクセスインタフェースを起動するには、ESX サーバーの IP アドレスをブラウザに入力します。
プライベートネットワークを、直接接続された専用のインターコネクトとして構成します。基本的に、Sun Ray サーバーはこのネットワークでは DHCP サーバーとして動作します。Sun Ray サーバーおよび Virtual Center サーバーのみが、このサブネットに静的 IP を持つ必要があります。この構成を設定するには、utadm -a pcn1 コマンドを使用します。ネットワーク構成については、『Sun Ray Server Software 3.1 Administrator's Guide』を参照してください。
注: プール、データセンター、またはクラスタの名前を変更する場合は、それらが VI SDK の内部で使用される際の構造および階層を理解しておく必要があります。トップレベルノードは、通常、データセンターです。この下に、ホスト用のサブツリー host と VM 用のサブツリー vm があります。host サブツリーには、ホスト、またはホストのクラスタが含まれます。vm サブツリーには、VM のサブツリー、または各 VM そのものが含まれます。たとえば、静的プールのパスが /Datacenter/vm/Pool-Static、クラスタのパスが /Datacenter/host/Desktops などです。
ゴールデンイメージの作成
「Virtual Desktop の設定」セクションのすべての手順を実行してから、この「Virtual Center の設定」セクションの残りの手順を実行してください。
インストール手順がすべて完了したら、初期段階は終了です。うまく行けば、Sun Secure Global Desktop または Sun Ray Server Software を使用して新しく作成された Virtual Desktop が、この段階で起動できるはずです。起動テストは、Sun Ray クライアントまたはラップトップで実施できます。ほかには、次のような点を考慮してください。
Sun Ray Server Software と Sun Secure Global Desktop 間でのホットデスク機能の実装
Sun Ray Server Software と Sun Secure Global Desktop の間で、同じ識別子、つまり同じユーザー ID が使用されている場合は、ホットデスク機能が使用できます。ホットデスク機能を使用するには、デモユーザーの ID にいくつかのスマートカードを割り当てる必要があります。これには、Sun Ray 管理の UI を使用できます。スマートカードを割り当てると、Virtual Desktop で、スマートカードトークン ID でなくユーザー ID が要求されます。
静的および動的 Virtual Desktop の起動および定義
このアーキテクチャーに習熟できたと感じられるようになったら、Pool-Static というフォルダに VM を移動し、VM に特定のユーザーにちなんだ名前を付けて、静的デスクトップを起動して定義することができます。また、スマートカードの使用有無を問わず、すべてのシナリオで、別の動作を定義することもできます。それには、異なるゴールデンイメージを使用します。